GiB(ギビバイト)やTiB(テビバイト)といった単位は、コンピュータのデータ量をより正確に表すために制定されたものである。
背景には、コンピュータ(2進数)と人間(10進数)における「容量の数え方」の違いによる歴史的な混乱がある。
GiB/TiBはなぜ存在するか
1. 2進数と10進数のズレ
もともとコンピュータの世界では、2の10乗=1024を基準に「キロ」を計算していた(例:1KB = 1024バイト)。しかし、日常生活で使われる「キロ」は10の3乗=1000である(例:1km = 1000m)。単位がメガ、ギガ、テラと大きくなるにつれ、この「1024」と「1000」の差が拡大し、容量の定義が曖昧になった。
2. メーカーとOSの表記違い
特にストレージメーカー(HDDやSSD)は、容量を大きく見せるため10進数(例:1TB = 1,000,000,000,000バイト)で製品を表記した。対照的に、WindowsなどのOSは、従来通り2進数(例:10244 バイト)で容量を計算・表示した。
この結果、「1TBのHDDを購入したのに、PC上では約931GiB(ギビバイト)と表示される」という現象が発生し、利用者の混乱を招いた。
3. 解決策としての「2進接頭辞」
この混乱を解消するため、IEC(国際電気標準会議)は「2進接頭辞」という新しい単位を定めた。これがGiB(ギビバイト)やTiB(テビバイト)であり、「bi」は「バイナリ(2進数)」を意味する。
GB/TBとの関係
GB/TBは「1000ごと」、GiB/TiBは「1024ごと」の単位である。
10進接頭辞 (SI接頭辞)
- GB (ギガバイト): 10003 = 1,000,000,000 バイト
- TB (テラバイト): 10004 = 1,000,000,000,000 バイト
- 主な用途: ストレージ製品の容量表記、通信速度 (Gbps)
2進接頭辞 (IEC接頭辞)
- GiB (ギビバイト): 10243 = 1,073,741,824 バイト
- TiB (テビバイト): 10244 = 1,099,511,627,776 バイト
- 主な用途: OSでの容量・メモリ表示、ソフトウェア開発
比較
2進数ベースのGiB/TiBは、10進数ベースのGB/TBよりも実際のデータ量が少し大きくなる。これにより、OS上の表示がカタログスペックより少なく見える現象が起こる。
これにより、「1TBのHDDがOS上で約0.909 TiB(または約931 GiB)と表示される」理由が明確になる。
- 1 GiB ≈ 1.074 GB (約7.4%大きい)
- 1 TiB ≈ 1.099 TB (約9.9%大きい)